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Vol.5 ソプラノ歌手 佐藤瞳

こんにちは、SHALONE代表の水野彰子です。今回は1歳になったばかりのお嬢さんを子育てしながら、オペラ歌手としてご活躍の佐藤瞳さんにzoomにてインタビューさせていただきました。東京芸大・大学院出身で、学年は違えども学生の頃からよくお話ししました。大学院を修了してからも沢山の公演でご一緒させて頂く素敵なソプラノ歌手の瞳さん。新米ママとして、理想と現実のギャップを感じながらも、家族の支えや有難みを感じて、前向きに頑張る彼女のお話に共感の嵐です。そして瞳さんと私の子どもは同学年なので、今現在の悩みや情報などもリアルタイムでシェアできるのが有り難く、このインタビューもあっという間の楽しい時間でした。オフラインでも安心して同学年のママ友とお喋りできる日が待ち遠しく思います。



水野:今日は子どもが同学年になる瞳ちゃんにお話しを伺えるのが楽しみです。子育てについての情報交換もできたら嬉しいな。よろしくお願いします。

佐藤:こちらこそよろしくお願いします。

水野:コロナ禍で出産して、育児が始まったよね。実際、妊娠中や出産にはどのような影響がありましたか?

佐藤:出産の前後は病院では面会もできなくて家族とも産後すぐには会えなかったです。病室で毎日ひっそりビデオ通話していました(笑)。

お仕事に関しては、出産2カ月前の2020年3月まで歌っていました。ちょうどコロナの感染拡大と重なって、産後に予定していた復帰公演はキャンセルになってしまったので、産後7カ月に久しぶりの本番となりました。


水野:瞳ちゃんが出産した頃はちょうど緊急事態宣言が始まって、一気にイベントがキャンセルになった時期だよね。

佐藤:はい。私は妊娠してから体重が20キロも増えてしまった影響で血圧が高くなってしまい母子の安全のために陣痛促進剤を打って出産することになったんです。でも促進剤投与3日目に子宮口が5センチしか開いていないのに破水してしまって…。お産がなかなか進まなかったので赤ちゃんの心拍が一瞬止まってしまい緊急帝王切開での出産となりました。生まれてすぐ娘はGCUに入りとても心配でしたが、すぐに元気になったので本当によかったです。

水野:この連載を始めてから色々な方の出産エピソードを伺いますが、子どもが生まれるって本当に奇跡だと思いますね。心臓が止まるなんてそれはもう心配だったでしょう…。

佐藤:帝王切開に切り替える時、先生に「切ってもいいかな?」と確認され、赤ちゃんも危険な状態だったので、私もすぐに「切ってください!!」って言ったのを覚えています。陣痛が続いていたのでこの時すでに意識朦朧としていたのですが、もうすぐこの痛みから解放される喜びを感じていたのは覚えています(笑)。


水野:促進剤によってそういう状態になることもあるんだね。とにかくすぐに元気になってくれて本当に良かった!そういえば最近よく考えるんだけど、赤ちゃんって病院に連れて行く判断が難しいなぁと。体調不良の程度や、どのタイミングで病院に行けばいいんだろう?とか…。

佐藤:そうなんですよね。うちの子も3回ほど夜に熱が出てしまって、夜間救急にお世話になりました。旦那さんも私も不安になったらネットで症状について調べて、病院に行った方がよさそうだったら行くようにしています。一度、夫が出張中に発熱したことがあって…その時はとても心細かったし焦りました。

水野:高熱の時に子どもと二人きりは不安だね。私は娘がすごく泣く時って体調を崩し始めているときなんだなって最近になって気付きました。1日だけなんだけど、夜中も30分おきに泣いてたことがあって本当に参りそうだったけど、泣くっていうのは赤ちゃんの大事なサインの一つだからいつもと違ったらちゃんと体調や様子を見てあげないといけないんだよね。

佐藤:機嫌悪くなりますよね…。あと困ることは、家族間でうつってしまうことですね。子どもの菌ってとても強烈なので、大人の方がしんどくなっちゃったりするのが恐ろしいです。職業上、声が出なくなってしまうと仕事にならないので、そこは気を付けています。

水野:ママやパパがうつっちゃうとみんなでしんどいから大変だよね。私もしっかり風邪予防して気をつけよう…。瞳ちゃんは普段、練習時間はどう確保していますか?

佐藤:なるべく練習時間は減らしたくないと思っているのですが、子どもがいるとなかなかできないので保育園に預けている間に集中して練習しています。時間が限られているので、学生の時より、よく考えて練習するようになりました。

水野:分かる!学生のときはいつでも練習できるからけっこうだらだらやってたけど、今はそんなことしてられないから集中して必要なことを練習するようになったなぁ。

佐藤:あとは出産後、帝王切開の影響で下腹の感覚がなかなか戻らなくて苦労しました。傷の周りの感覚が無くなって、初めはびっくりしましたね。いろんな先輩ママさんから体験談を聞いたり、アドバイスをしてもらったり沢山助けてもらいました。


水野:そういえば私も産後1カ月の本番はびっくりするくらい下腹部の力入らなかった(笑)。私の場合は普通分娩で、それでもちゃんと力が入る実感が持てたのは3、4ヶ月後くらいだったから、きっと帝王切開だと尚更だよね…。いま瞳ちゃんの子は1歳になったばかりだよね。ご飯はもう掴み食べなのかな?うちも絶賛離乳食中だけど、離乳食作ったりするのはどうだった?

佐藤:最初は気合いを入れてまとめて作り置きしたりしていたんですけど、食べてくれないことも多々あったりで私の気持ちが折れそうになってしまいました。理想通りにいかないからワーってなっていたら旦那さんが「人は人だし、無理しなくていいんじゃない?」と言ってくれて。それからすごく気持ちが楽になって、頑張りすぎない方向にシフトしました。

水野:優しいね~旦那さんにそう言ってもらえるといい感じに力が抜けそうだね。瞳ちゃんは離乳食作る時どんなものを使っていますか?

佐藤:100円均一で売っている、電子レンジでおかゆが作れる加熱容器が本当に便利です!ちゃんと何倍がゆとかのメモリも付いているし。あとフードプロセッサーも必須アイテムです。とにかく少しでも楽に作れるアイテムがあると助かりますよね。あとは離乳食のメニューがたくさん載っている「手作り離乳食」っていうアプリを使っているのですが、生後何カ月からこれを食べても大丈夫とか一覧になっていたり、食べたものをチェックできるシートがあるので便利で気に入っています。最近は食べられるものも増えてきたので、大人のご飯の味付け前に取り出して、それを離乳食にしたりできるようになってきたので最初の頃よりだいぶ楽になりました。


水野:そのアプリ今すぐインストールします(笑)!毎日のことだからやっぱり無理せずに、便利なものには頼らないとね。コロナ禍の今は、外に出て誰かに気軽に相談もしにくいから、ネットやアプリをうまく活用していけたらいいよね。

水野:そういえば最近初めて娘が人見知りしたの。結構泣いてたけど、ちょっと可愛かったな(笑)。


佐藤:彰子さんの子は全然人見知りしないんですよね。うちの子は電車なんかで誰かと目が合うと、一瞬間ができて途端に大泣きです!個々の性格も関係あると思いますが、うちの子は人見知りの傾向が強いような気がします。特に黒いマスクは怖いみたいです。

水野:今生まれた子はみんながマスク着けてるから慣れてるかと思いきや、黒は怖いんだね!でも人見知りするのは賢いからってどっかで聞いたよ~(笑)。誰にでも愛想笑いしてるうちの子は逆に危ないのかもしれない(笑)。保育園に預ける時は大丈夫だった?

佐藤:生後6か月から通ってて、最近やっと慣れてきたかな~という感じです。実は夫の会社に保育園があって、そちらを利用しています。送り迎えの面で本当に助かっています。

水野:それはめちゃくちゃいいですね!そういう企業がどんどん増えたら素敵だよね。本番の時とかはお子さんはどうしてる?

佐藤:土日だったら夫に見てもらっています。夫もダメなときは、区の「ファミリーサポート(※下部参照)」というのを使っています。

水野:ファミリーサポートって初めて聞きました。


佐藤:私も友達に教えてもらって使うようになったのですが、事前にシッターさんと面談もできるし、区のサービスなので料金も安いしすごく良いですよ!

水野:有難い情報!早速調べてるけど、本当に安いね。


佐藤:あと私は卒業後、1年半パソナに就職したのですが、パソナもそういった親子のための支援はかなり手厚いです。


水野:そうだよね、瞳ちゃんパソナで働いていたよね。就職ということは、社員さんだったの?なかなか音楽家のそういう働き方は他で聞かないからすごく興味あります!

佐藤:はい、そうなんです。「パソナミュージックメイト」という音楽家支援の枠で働かせて頂きました。藝大の求人のページを見ていてたまたま見つけたのですが、日本で音楽家として雇ってくれる企業ってとても少ないので有難かったです。

水野:スポーツ選手だと社会人選手みたいに企業に所属してっていうのは一般的だけど、音楽は聞いたことなかったなぁ。パソナさんは最近も淡路島で行われている「音楽島」という企画で音楽家を雇用したり、素敵な活動が多いのでチェックしています。

佐藤:コロナ禍で働き方や人生プランについて改めて考える時間が増えた気がします。

水野:都会は本当に便利だけど、淡路島のように自然があってゆったりできる場所に住みたいと思うこともあるなぁ。コロナでテレワークの可能性も広がったしこれからますます地方移住への興味は出てきそうだよね。

佐藤:そうですよね。都会には便利なことや新しいものが集まっていたり、魅力なところは多いけど、地方にも住みやすさや子育てのしやすさ、人とのつながりとか良いところが沢山ありますよね。音楽家の活躍の場もこうやって日本中で広がっていったらいいなと思います。


水野:本当にそう思います。今日は沢山お話ができてあっという間の時間でした。ありがとうございました!最後に、瞳ちゃんがママとして日々感じていることやこれからの目標を伺えたら嬉しいです。

佐藤:今回インタビューの機会をいただき、突っ走ってきたこの1年間をゆっくり振り返ることができました。まだたったの1年だけど、生まれてきた時の神秘的な感動や新生児の姿、匂いとか(笑)すでに懐かしく思います。

 音楽家として、ママとして心がけていることは、家族への感謝は常に言葉にして伝えること。それと、どんなに疲れていても愛情表現は欠かさないことです。私が音楽と向き合う時間は、夫も育児を頑張ってくれて、娘も我慢してくれている時間なので…。って言っても、現実はついイライラして、後から反省することが多いんですよね。でもその殆どが後から落ち着いて考えると笑い話になるようなことばかりで(笑)。理想と現実のギャップはまだまだありますが、あっという間に成長していく娘との時間を大切に、自分もママとして女性として、音楽家として成長していきたいです。


水野 うんうん…とっても共感!子どもが同い年同士、これからもまた色々お話できたらいいな。今日は本当にありがとうございました!


佐藤 ありがとうございました。


(参考)

※ファミリー・サポート・センター

ファミリー・サポート・センター事業は、子供の送迎や預かりなど、子育ての「援助を受けたい人(依頼会員)」と「援助を行いたい人(提供会員)」が、地域で相互援助を行う仕組みです。センターは区市町村が設置し、区市町村または区市町村から委託を受けた法人が運営しており、会員同士のマッチングや提供会員に対する研修などを実施しています。(東京都福祉保健局ホームページより)

※パソナグループHP https://www.pasonagroup.co.jp/



ソプラノ歌手 佐藤 瞳 Hitomi SATO


岡山県出身。東京藝術大学声楽科を経て、同大学院修士課程独唱科を修了。卒業時に同声会賞を受賞。『伯爵家令嬢マリツァ』リーザ、『こうもり』イーダ、『ドン・ジョヴァンニ』ツェルリーナなどオペラにも出演する他、ベートーヴェン『第九』、J.デメイ『交響曲4番 歌のシンフォニー』(日本初演)ソリストなども務める。読売日本交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、大阪シオンウィンドオーケストラ、岡山フィルハーモニック交響楽団と共演。テレビでは童謡・昭和歌謡曲を中心としたBS-TBS「日本名曲アルバム」に杜の音シンガーズとして出演。「第43回日本ハンドボールリーグプレーオフ」では国歌独唱を務めた。現在、東京藝術大学音楽学部教育研究助手。

第5回ゲスト:佐藤瞳(ソプラノ歌手)

インタビュアー:水野彰子(ピアニスト・SHALONE代表)

ライター:岩崎花保(フルーティスト・WEBライター)

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